引退馬支援
について

引退馬支援とお金の問題 サラブレッド・アフターケア・アライアンス

引退馬支援に関する問題で、誰もが悩まされる金銭面。体が大きな馬を管理するためには、生活スペースを確保するにも、十分な餌と水を与えるにも、厩舎掃除や調教を行うにも、すべてにおいてコストと手間がかかります。

そんな中、競馬大国・アメリカには引退競走馬を支援する団体に資金援助を行う組織があります。今回はこの画期的な取り組みをご紹介します。

<引退馬支援団体に、助成金を>

この取り組みを行う組織は、サラブレッド・アフターケア・アライアンス(以下、TAA)。

アメリカ各地で引退馬支援を行う団体に対して、独自の基準で認定制度を設け、優良認定団体への金銭的サポートを行っています。現在TAAには160施設、74の組織が認定されており、この9年間で救われたサラブレッドは10300頭、それに伴い各認定団体に支払われた助成金は合計180億円以上にのぼります。

<組織の成り立ち>

TAAが結成されたのは2012年、引退競走馬に注目が集まり始めた頃でした。

当初はジョッキークラブやブリーダーズカップ、キーンランドアソシエーションなどの資金提供を受けて結成されましたが、現在はさらに支援の輪を広げ、馬主、調教師、牧場、アメリカ全土の各競馬場、そして競馬以外の馬業界など、幅広い組織・団体・個人からの支援金によって成り立っています。

2020年で9年目を迎えたTAAは成長し続け、認定団体は21組織から74組織まで拡大し、引退馬支援内容は馬のリハビリから、再調教、譲渡、ホースセラピーまで幅を広げています。

<引退馬のセカンドキャリア>

これまでにTAA認定団体は、総合馬術馬、品評会チャンピオン、セラピーホースとしてのセカンドキャリアを与え、さらには観光業に馬を活用したり、子どもたちに動物福祉を教えるための先生役として活躍する場も与えてきました。

TAAでは、引退馬のセカンドキャリアに必要な情報や支援を集約することにより、競馬業界そして競馬を超えた馬業界全体で協力する体制を整えています。

参考:https://www.thoroughbredaftercare.org/about/

記事:YURIE KONO

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