引退馬支援
について

サラブレッドの人生設計

サラブレッドの人生設計について、今回はサラブレッドたちを人間の年齢に置き換えて考えてみた。

サラブレッドたちは牧場で生まれ、競走馬になるために育てられる。競走馬としてデビューするのが人間で例えるなら15歳過ぎ。そして20歳〜25歳くらいで競走馬としての引退を迎える。確かに人間のアスリートの多くが30歳前に引退していることを考えると自然な流れかもしれない。人間ならこの後、一般社会に入り多くの人と変わらぬ生活を送ったり教育者やトレーナーとして活動をしたりする人もいるのだろう。

さて、サラブレッドはどうだろうか。25歳で競馬人生を終えたとして一体どのようなセカンドキャリアが待っているのだろう?

何が待っているのだろう?

果たして人生設計があるのか?

毎年数千頭という生産されるサラブレッドの引退競走馬を寄付や助成金だけで養うことなど到底できるはずはない。到底無理だ。

サスティナブルなサラブレッドの社会を実現させるためには乗馬を普及させること。これが私にとっての唯一の答えだった。乗用馬への再調教や寄付が充実したとしてもその馬たちの需要がなけれどこかで破綻する。土台をしっかり作らないといくら美しい建物を築いても虚しく崩れ落ちるだろう。

土台とは引退競走馬の”需要”だ。引退競走馬の”需要”とは”乗馬”に他ならない。人間の多くが65歳〜70歳まで何らかの仕事をするように引退競走馬も同様に65歳〜70歳(人間の年齢で)まで乗用馬として活躍ができる。養老牧場で過ごすのはその先の話だ。まずは引退競走馬たちの社会的な立場を築くのが先であり、それはつまり乗馬を普及させるということだと考えている。年齢ピラミッドの下から順に強いものにしていく必要がある。

そして、その社会や仕組みをつくるのは残念ながら馬たちには出来ない。それができるのは唯一私たち人間だけだと考えている。

【お知らせ】
馬旅倶楽部ではその会費を活用して競走馬になれなかったサラブレッド、ゲヴュルツを支え、馬術競技馬として日々トレーニングをしています。馬旅の製作やこの活動を通して”乗馬”と”馬術”の魅力をより多くの人に感じていただきたいと考えています。
>>馬旅倶楽部 みんなで引退競走馬を育てよう

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